研究現況

2017年度の研究

  1. 非接触給電
  2. 磁気浮上・リニアドライブ
  3. 鉄道車両の電気駆動制御とエネルギー
  4. 波力発電

非接触給電

電気自動車の運転とワイヤレス給電地上設備の最適化

ドアン ヴァン ドゥック

Electric vehicle (EV) is becoming popular in near future to replace internal combustion engine vehicle (ICV) because EV is a solution for environment issues and fossil fuel exhausts caused by ICV. However, the main drawbacks of conventional EVs include short driving range per charge, heavy on-board battery, inconvenience for users, and sparking effects due to charging of EV via plug-in connector, etc. With developments of wireless power transfer (WPT) technology, all of these drawbacks can be overcome. EV will be conveniently charged without any mechanical contact, so there are no sparking effects. By installing WPT system on the road, EV can be powered from the road. Therefore, the concept of driving range per charge seems non-existent, and only a small on-board battery is required as a supporter.

In order to put WPT technology for EV into practical use, infrastructure of WPT system plays an important role to reduce its system cost and guarantee the smooth operation of EV as desired. It can be seen that if WPT system is equipped the road entirely, the construction cost is unacceptably expensive and not really necessary in particular cases. Therefore, for minimizing the total length of WPT system installed on the road, strategy to allocate the WPT system is non-trivial. In this work, the author presents a new approach for allocating WPT system from viewpoint of an optimal control problem, where the global optimality of solution is guaranteed.

Furthermore, in the conventional approach for allocation of WPT system, information of EV operation such as EV speed profile and power demand is required. In this work, the author also proposes a new methodology based on mathematical optimization method for simultaneously designing EV speed profile and allocation of WPT system in a lane segment, with the aim to reduce the cost of WPT system by minimizing its length. By parameterizing both EV operation and allocation of WPT system as unknown parameters, a nonlinear optimization problem with involved constraints of EV operation and battery sustainability is established for optimizing these unknown parameters to minimize the length of WPT system. Therefore, optimal speed profile of EV and optimal allocation of WPT system can be simultaneously determined. The proposed approach is applied in a scenario of autonomous driving EVs, where they will accurately follow the designed speed profile. We show that our proposed method gives a better solution than the conventional method in term of reducing the length of WPT system under the same operational constraints of EV and battery.

 

定電圧電源による走行中非接触給電に適した地上側システム設計

武田 広大

電気自動車の航続距離はバッテリの改善及び積載量の増加により年々伸びてきている.しかし,未だに大都市間の移動ではその航続距離に不安が残る.そこで,走行中の電気自動車に対して非接触で給電を行う走行中非接触給電システム(DWPT)の開発が行われている.このシステムは道路に長距離設置され,電気自動車は道路から電力を非接触で受け取りながら走ることで航続距離を伸ばせる一方で,非常に長い距離に渡り道路に埋められるため,簡易で頑丈であることが望まれる.本研究室では,電力を受け取る車両が存在しない場合でも安定した運用が可能なLCC補償回路を用いたDWPTの地上側システムの設計方法を検討している.

LCC補償回路を用いて所望の出力電力を得るための設計方法は先行研究で明らかになっているが,その方法では高効率で出力電力を得られる保証がない.さらに,LCC補償回路用いたシステムでは電源に並列に複数の送電コイルをつなぐにも関わらず,それらの送電コイルで発生する損失の影響を考慮したLCC補償回路の設計方法は検討されていない.そこで,本研究ではこの損失を考慮した補償回路の設計を提案しマルチレベルインバータの制御方法によりその損失を大幅に軽減できることを示した.

永久磁石形同期機・リニアドライブ

Design and Control of Magnetically Levitated Permanent Magnetic Linear Motor as A Conveyor System

Salman Ahmed

将来,磁気浮上式輸送キャリアは様々な業界に使われる可能性がある.例えば,精密機器や半導体製造装置,工場の搬送装置などである.これらに応用するためには高い精度が必要である.磁気浮上はリニアベアリングによって,非接触で摩擦なくモーション(移動)を提供することができるため,高精度な運転が可能である.しかし,磁気浮上を用いた輸送は制御が難しく,高価なハードウェアが必要である.たとえば,エアギャップセンサーである.商業化のためには価格を下げることが不可欠であるため,ギャップセンサーを用いずに浮上している可動部の制御を安定化する方法について研究をしている.また,磁気浮上は一般に,分厚いフレームや非磁性体が追加で必要となるため,キャリアの重さが増え,運ぶことの出来る重量が減ってしまう.そこで,大きな推力を発生させるモータが必要である.本研究室では,コンパクトな6自由度の横磁束形永久磁石リニア同期モータの開発と磁気浮上の導入について研究を行っている.

鉄道車両の電気駆動制御とエネルギー

省エネルギー運転・運行計画の工夫・エネルギー蓄積装置積極活用を統合した鉄道電力制御

カムピーラーワット ワラーユット

本研究では,都市鉄道システム(DC鉄道システム)における電力管理手法を提案する.提案手法は,運転戦略の設計,列車のスケジューリング,エネルギー貯蔵システムの利用を組み合わせて,省エネ運転の改善を図ることを目的としている.基本的に,運転戦略の設計は,各列車の効率的な省エネルギー運転を提供し,列車計画の設計は列車間の有効な回生電力使用を提供する.しかし,回生電力は列車間で交換することによって利用することができる.余剰回生電力が相当量存在する.余剰回生電力を管理するために,エネルギー貯蔵システムは,最適な容量で適切な場所に設置されます.ソフトウェアとハードウェアの統合された設計により,電力管理はより柔軟で効果的になり,有効な回生電力を増やすことができます.バンコク高速輸送システムの数値的ケーススタディを実施し,提案された方法を開発するための予備的プロセスとして評価した.数値的結果から,省エネルギー運転の改善が達成できることが示された.

経済的設備増強で優等列車の効果的導入を図る利便性の高い都市鉄道設計法

粟木 一輝

都市鉄道において通勤時間帯の混雑や列車の低速化は大きな課題となっている,本研究では,この課題を抜本的に解決する方法として,区間的に線路を増やし,急行列車の導入及び列車の高頻度化を図る方法を提案する.本論文では,列車計画の評価法として旅客の移動時間や乗換・混雑による不効用の和,設備計画の評価法として追加する設備の費用を考慮し,これらを二軸的に評価することによってよりよい評価の選定を行う.これらの計画の選定に向け,先行研究の損失時間ダイヤを用い,これを拡張して線路の増設が必要な最小限の区間を求める方法を示す.全体の列車計画においては,急行の停車駅の問題と緩行の待避の問題の2つに課題を分割した上で,前者を全探索によって,後者を最小費用流問題の拡張によって計算する.ケーススタディを通じて本手法で作成された計画の比較を行い,設備計画として考慮する年数が長くなるにつれて区間的線路増備の効果が大きくなること,および先行研究に挙げられる3線による運行計画および待避設備を用いない緩行のみの列車計画と比較して,旅客の不効用および設備費用が中間となるような鉄道計画が可能であることを示した.

電気鉄道の加速度向上による省エネルギー自動運転の設計と効果の実験的検証

三好 正太

電気鉄道における省エネルギー運転は,車両の最大加速度で加速,その後惰行,最大の減速度で停車する運転であるとされてきた。本研究ではこの走行法に基づき,加えて車両の最大加速度を増し,エネルギーを消費しない走行状態である惰行の時間を更に延ばすことで,走行の消費エネルギーを削減することを目的とする。車両の最大加速度を向上することで加速時間を短縮でき,その分惰行時間を増加できる。加えて,高速度で走行する時間が増加するため,走行時分を一定に保つ場合には加速度向上により最高速度を下げることができる。加速度向上により,惰行時間の増加と,最高速度低下による入力エネルギーの削減により,省エネルギー効果を得られる。本研究は設計した運転パターンの実現性,再現性が手動運転よりも高い利点を有する自動列車運転装置(ATO)を使用した。加速度向上による省エネルギー運転パターンの提案と効果の評価は,数値計算による省エネルギー効果試算を行うために車両の駆動効率の測定,省エネルギー運転パターンの走行シミュレーションによる設計と省エネルギー効果の数値計算,省エネルギー走行パターンをATOに実装,走行試験による省エネルギー効果の検証の手順により行った。リニアメトロを対象に提案法を実装し実車実験を行い,提案法の有効性を示した。

波力発電

簡易二次元磁界解析と応答曲面法を用いた波力発電用三次元磁束型リニア機の効率的設計手法

和久井 晟冴

既存の波力発電用リニア(発電)機設計手法は三次元磁界解析を用いているため,設計に莫大な時間がかかってしまう.また,既存のリニア機制御手法は,リニア機の推力(電流)制限に抵触した際に発電ができなくなってしまうという問題点を抱えている.そこで本研究では,磁束が三次元状に構成されるリニア機の推力定数を二次元磁界解析により簡易的に計算する手法を導入し,磁界解析にかかる時間を削減し,さらに,応答曲面法を利用してリニア機構造の最適化を少ない試行点数から行うことを可能にした,効率的設計手法の提案を行い,それを用いて推力定数の大きいリニア機の設計を行う.電磁界解析ツール上のシミュレーションを通じて,簡易二次元磁界解析と三次元磁界解析のそれぞれを用いて計算した推力定数の値に大きなずれが生じないことを示し,また,提案設計手法を用いて従来の波力発電用リニア機と比べ推力定数の大きなリニア機の設計ができたことを示した.